カテゴリー : 生き物

タテガミオオカミとロベイラとハキリアリの密接な関係

ブラジルのセラードでのこと。

セラード

セラード


セラードとは、ブラジルの中央部に広がる熱帯サバンナ(草原)地帯のことを指します。面積は2億ヘクタールを越え、ブラジルの国土の5分の1になります。

タテガミオオカミは絶滅危惧種でレッドブックにも掲載されている動物です。

タテガミオオカミ

タテガミオオカミ

タテガミオオカミはロベイラというトマトのような実が大好物です。
ロベイラの実は独特の苦みを持っていてセラードでは、タテガミオオカミしか食べません。
ロベイラの実には腎虫(ジンチュウ)という寄生虫(線虫)を駆除する力があります。
この虫は成長すると幅1cm、長さ1mにもなり、徐々に腎臓を破壊し宿主を殺すことで知られています。
タテガミオオカミは排泄をアリ塚のような地面よりも高い場所する習性があります。

ハキリアリは、地下の巣の中にキノコを栽培する特殊なアリです。

ハキリアリ

ハキリアリ

巣の奥のキノコ畑では、葉、花、枯枝などを利用し、働きアリが特殊なキノコ菌を植えつけ、キノコを栽培し食糧にします。

ハキリアリの巣の上にころがったタテガミオオカミのフンにはロベイラの種が含まれています。
ハキリアリはその種をキノコの養分に利用するため巣に運びます。
巣の中で生き残ったロベイラの種は、ハキリアリの巣の上にロベイラの実を実らせます。

また、ロベイラの実を食べに来たタテガミオオカミがフンをして、ハキリアリが巣に持ち込み・・・

という循環が起こっています。

とても密接な関係ですね。

現在、セラードは農業が盛んに行われるようになり、人間の食糧を生産しています。
セラード地域で10億人分の食糧をまかなうことができるそうです。
しかし、一方でセラードの開発がすすみ動物たちの生息場所が奪われているという現実もあります。
現在、手付かずで残っているセラード地域は、原生のセラードの20%余にまで減り、アマゾンの熱帯林をはるかに上回る速度で破壊が進んでいます。

遺伝子組換でネッタイシマカの絶滅狙う

マレーシア政府は、デング熱対策として、遺伝子を組み換えた蚊(か)約6000匹をパハン州の非居住地域に放った。
放った蚊はネッタイシマカで、すべてオス。生まれてくる子どもが生後すぐに死ぬよう遺伝子を組み換えてあるため、デング熱を媒介するネッタイシマカの減少、ひいては絶滅が期待される。

ネッタイシマカとは、黄熱、デング熱、チクングニヤ熱の媒介蚊として知られる。かつての日本でも南西諸島で生息していたが、現在は確認されていない。

2010年、ケイマン諸島で行われた類似の実験では、媒介蚊の数が劇的に減ったとされる。
遺伝子を組み換えたネッタイシマカを自然界に放すことは、環境保護団体などの反発などがあり、延期されていた。
しかし、今回事前の予告無く強行された。
ネッタイシマカの生態はほとんど知られていない上、媒介蚊の突然変異や生態系への影響、それにともなう新たな病気の発生といった予想外の事態が起こりかねないと反対論があった。
マレーシア政府は、「GM(遺伝子組み換え)蚊自身も数日しか生きられないので、害はない。」としている。

2010年に、マレーシアでのデング熱の発生件数は11%増の4万6,000件。
死者は52%増の134人に達した。

白化するサンゴ「白化現象」

造礁サンゴは、イソギンチャクなどと同じ仲間の動物です。
サンゴには、褐虫藻(かっちゅうそう)という藻類(植物プランクトン)と共生しています。
褐虫草は光合成を行い、サンゴに養分を供給しています。

サンゴ

サンゴ

サンゴが集まったサンゴ礁は、海中生物の生息場所となり、海の生物多様性を豊かにします。
また、海の物質を循環・浄化する役割も持っています。
さらに、サンゴ礁が防波堤の役割し、波を穏やかにすることで、海岸の侵食を防いでいます。
美しさから、観光資源にもなっています。

サンゴ礁は、多岐にわたる役割を担っていますね。

サンゴが今危機に瀕しています。
サンゴは、海水温の変化など環境ストレスを感じると褐虫藻をを放出し、死滅していきます。
褐虫藻の光に対する耐性が弱くなり、光阻害が多く発生するようになります。

※光阻害とは、強すぎる光によって光合成系が傷害を受けること。

光阻害が生じると、光合成によって炭素を固定する機能が低下し、光エネルギーが余ります。
余った光エネルギーは、酸素と結び付き、活性酸素が発生します。
活性酸素は、褐虫藻に有害です。
褐虫藻は、光合成の機能が低下し、活性酸素による損傷を受けて、自滅すると言われています。

死滅した褐虫藻がサンゴの中から放出されると、サンゴの骨格が透けて、白く見えるためサンゴの白化現象と呼ばれます。
白化現象が起きても、環境が改善して、新たに褐虫藻が住みつけばサンゴは回復し元の状態に戻ります。
しかし、環境が改善されず、新たに褐虫藻が住みつかなければ、サンゴは死滅してしまいます。

サンゴの生息に適した水温は25~28度と言われています。
水温30度を超えることが続けば、白化が起こるといわれています。
サンゴと共生している褐虫藻は、5種類程度いて、白化しやすいものとしにくいものがあります。
サンゴが白化に強い褐虫藻を獲得して高水温のストレスに強くなるという見方もあるようです。

環境ストレスとして、高水温、低水温、紫外線、淡水、土砂の流入など多くの要素があります。

サンゴが自力でストレス耐性が強くなることは良いことですが、人為的なストレスを取り除くことが必要となる。

温暖化で害虫・病気の北上

地球温暖化で北上しているのは、農産物や水産物だけではありません。
害虫や病気も北上しています。
これまで日本では見られなかったものが報告されています。
以下のようなものが確認されています。

ナルトビエイ

熱帯・亜熱帯に生息。
近年、九州沿岸や瀬戸内海でアサリやバカガイなどを食い荒らしています。

エチゼンクラゲ

生態について現時点で知られていることは少ない。
大量発生し、クラゲ漁以外の漁業を妨害しています。
産卵地である黄海沿岸の開発進行による富栄養化、地球温暖化による海水温上昇、日本近海の沿岸開発による自然海岸の喪失でクラゲに適した環境になった。という説が挙げられています。

シガテラ中毒(食中毒)

熱帯・亜熱帯に生息する魚類の食中毒。
近年、関東近海で釣られたフエダイ類による発生例が報告されています。

カンキツグリーニング病

柑橘類に致命的な被害を与える病害。
感染すると、木が枯れる。
対策は、伐採除去しかない。
東南アジアの高湿地域で流行すると言われていたが、沖縄県・鹿児島県まで北上しています。
これまでは、夏に飛来してきても、越冬できず死滅していたが、温暖化の影響で越冬できるようになった。

まだまだ、たくさんありますね。
時間を見て追加していきます。
また、コメントで情報をいただけると、追加していこうと思います。

生物多様性はなぜ重要なのか?

生物多様性とは
「生物多様性」とは、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態を言い、さらに、生物が過去から未来へと伝える遺伝子の多様さまでを含めた幅広い概念です。
この地球上には、知られているだけで約175万種、未知のものを含めると3,000万種とも言われる生物が暮らしています。これを「種の多様性(=いろいろな生き物がいること)」と言います。
COP10支援実行委員会

生物多様性はなぜ重要なのでしょうか?

生物が多様性に富むほど環境変化への適応力が高くなります。

たとえば、森林の場合、
1度の台風や洪水や日照りで、1種の植物が倒れたとしても、他の種が生き残ることで、森の生態系を維持し、土砂崩れを防ぐことができる可能性が高くなります。
また、同じ生物種であってもいろいろな遺伝子があることで、環境が変化したときに種を存続できる可能性が高くなります。

多様な遺伝子、多様な生体け、多様な生物種が存続することで、環境変化に対する適応力が高くなります。
生物多様性は、社会の適応力の指標になります。

絶滅してしまう生物が増えれば増えるほど、社会が弱くなっていると言えます。
トキが絶滅したのは、トキだけの問題ではなく、地球は社会として一歩弱くなってしまった。
ということになります。

2000年からは、1年間に4万種の野生生物が絶滅しています。
現在では、もっと多くの生物が絶滅しています。
1900年には、1年間に1種、1975年には1000種になり、生物が絶滅したとされています。
1975年から25年間で40倍のスピードになりました。

原因の多くは人間による活動です。
開発や乱獲、外来種の持ち込みなどです。

さらに、地球温暖化により、サンゴの死滅や生物の生息域北上することで生態系を変化させており、生物の絶滅の原因となっています。

生物多様性ホットスポット

World Map with all of the Hotspots in Red

World Map with all of the Hotspots in Red


生物多様性ホットスポットは「生物多様性が高いにも関わらず、危機に瀕している地域」。地球上で最も絶滅が危惧されている哺乳類、鳥類、両生類の75%が生息する。国際NGO、コンサベーション・インターナショナル(CI)が日本を含む34 カ所を特定している。出典:CI(www.conservation.or.jp)、CI生物多様性応用自然科学センター(CABS)

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