カテゴリー : 電力

地震・津波で電力不足。火力発電による二酸化炭素排出量

東京電力は電力の供給が不足しているとして計画停電を実施する。

需要想定 4100万kW
供給量 3100万kW

需要に対して、供給が1000万kW足りない。
東京電力は、不足分の1000万kWを火力発電所で確保するとしている。

被害の大きくなく復旧は難しくない千葉県と東京都の火力発電で400万kWまかなう。
茨城県の常陸那珂発電所と福島県の広野発電所は津波により設備が破損しているため復旧には時間がかかる。
新潟県の柏崎刈羽発電所はあまり大きな被害がなく早いうちに復旧できる見通し。

火力発電で電気をまかなうのは必要ですが、短期的にはいつもよりも多く化石燃料を大量に使ってしまうことになります。
火力発電は、原子力発電、地熱発電、水力発電、風力発電、太陽光発電などに比べると、二酸化炭素(Co2)、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)を排出し、大気汚染の原因になっています。

1kWh当たり火力発電による二酸化炭素(Co2)の排出量

  • 石炭火力:0.887kg
  • 石油火力:0.704kg
  • LNGコンバインド:0.407kg
    (蒸気[汽力]発電とガスタービン発電を複合)
  • LNG火力:0.478kg

ちなみに、1kWh当たりの他の発電による二酸化炭素の排出量は、水力発電が0.011、原子力が0.022kg。
(環境goo参照)

発電所データ
茨城県の常陸那珂発電所(最大出力100万kW)
福島県の広野発電所(最大出力380万kW)
新潟県の柏崎刈羽発電所(最大出力821万2000kW)

火力発電の仕組み・熱効率・種類

火力発電の仕組み

火力発電の基本的な発電の仕組みとしては、火力によって生み出した「水蒸気」の力で「発電機のタービンを回す」ことにより発電をする「機械的な発電方式」となっています。

火力発電の仕組み

火力発電の仕組み

基本的に、原子力発電でも地熱発電でも「水蒸気」の力を利用して「発電機のタービンを回す」のは同じ。
乱暴に言えば、水から水蒸気にするためのエネルギーに何を使っているのかの違いになります。

地熱発電の仕組み

地熱発電の仕組み

火力発電の熱効率

火力発電の熱効率

火力発電の熱効率


(出典:東京電力)
※東京電力のみ2009年度の実績。その他は2006年の値。東京電力の2006年度実績は46.1%。
熱効率は、年々上昇しているようです。

例えば関西電力では
発電時の熱効率が優れた最新鋭のコンバインドサイクル発電の導入。
堺港発電所では、現在1,500℃級のガスタービンを用いたコンバインドサイクル発電方式への設備更新を実施し、熱効率は約41%から約58%に向上し、2009年度から運転を開始。
他の電力会社でも同じような取り組みがされています。

電気にならなかった熱は、煙突から出る水蒸気や温排水のような排熱になります。

火力発電システムの種類

  • 汽力発電システム
    燃料を燃やして作った高温・高圧の蒸気でタービンを回して発電する方式。(使用燃料:石油・石炭・オリマルジョン)
  • ガスタービン発電システム
    燃料を燃やした、「燃焼ガス」によってタービンを回して発電する方式。高出力の発電が可能。(使用燃料:灯油・軽油・LNGなど)
  • LNGコンバインドサイクル発電システム
    ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式。 熱効率が高く,短時間で運転・停止できるのが特長。電力需要に応じて活用。(使用燃料:LNG)
  • 内燃力発電システム
    ガソリンやディーゼルエンジンなどの内燃機関による発電。 小規模発電として局地的に利用。(使用燃料:ガソリン・軽油など)

再生可能エネルギー電力(太陽光・風力)の課題

再生可能エネルギー(太陽光・風力)と制約の続き。

再生可能エネルギー電力(太陽光・風力)には、電力の安定供給にも課題があります。
これまでの大規模な集中電源とは違い、太陽光発電や風力発電は天候や気候の影響を強く受けます。
その時々で発電量が大きく変動する可能性あり、電力供給の基本である需要に応じて発電することが難しくなります。
数時間単位でみると、電力需要と供給可能電力に過不足が生じる可能性があります。
数分単位でみると、日射や風速の急な変化により発電量が変動し、需給のバランスが崩れ電力系統上の周波数が適正値内におさまらなくなることで、電気の質の確保に問題が起こる可能性があります。

また、現状の発電設備の容量・電力会社間の連携線の容量では、大量に風力発電・太陽光発電などを導入は困難。

電気の質の確保への対応

  • 発電量を柔軟に変更可能な火力発電による調整
  • 系統側・分散電源側へ蓄電池を設置し、電力を一時的に貯蓄

など電力会社と再生可能エネルギー電力がうまく連携できるよう対応が必要です。

電力買い取り制度で国民の負担増

電力の買い取り制度が2009年11月から始まりました。
太陽光発電の余剰電力買い取り制度は、再生可能エネルギーを普及させるため、家庭などで使う量を上回った電力を10年間にわたり、電力会社が買い取るものです。
2011年1月、電力会社10社はこの電力の買い取り制度の負担(2010年1年間に買い取った費用を回収するため)を4月から電気料金に上乗せすることにしました。
電気料金に転嫁されるのは初めてです。

電気料金に転嫁されるのは、買い取りにかかった1年間の費用を、太陽光発電促進付加金(太陽光サーチャージ)として翌年度の4~3月の電気料金に上乗せし、すべての電気利用者が電気使用量に応じて負担する仕組みとなっているためです。

2010年の電力買い取り費用は合計400億円程度となっています。

負担額は
標準家庭で月2~21円
中規模工場は月2500~1万7500円程度
大規模工場は2万4千~16万8千円程度
とみられる。

付加額は1キロワット時当たり0.01円(北海道電力)~0.07円(九州電力)
地域格差は生じさせず、全国一律にする方針を経産省が決めました。

太陽光発電が普及すれば、電力会社の買い取り費用は増えます。
そのため、電気料金に買い取り費用が上乗せされるのは、今後も続き年々高くなる見通しです。

また、再生可能エネルギーによる電力の全量(家庭などの太陽光は余剰だけ)を電力会社が買い取る法案を通常国会に提出する予定。

成立すれば、10年後には負担額が
標準家庭で月額150~200円
中規模工場は12万5000~17万円
大規模工場は120万~163万2千円
電気料金に上乗せされることになります。

温暖化対策で日本の国民が新たな負担が求められることになる初めてのケースになる。
(民主党は温室効果ガス排出量を90年比で25%削減する目標を掲げている。)

再生可能エネルギー(太陽光・風力)と制約

再生可能エネルギーとは、比較的短期間・自発的・定常的に再生される自然現象に由来し、極めて長期間にわたり枯渇しないエネルギー源のこと。
非化石エネルギー源であって、永続的に利用できるメリットがあります。
温暖化対策、エネルギーの安定供給が期待できます。

しかし、課題も多くあります。
化石エネルギーに比べて、太陽光発電や風力発電はエネルギー密度が低く、同じ量のエネルギーを取り出そうとするなら、より多くの太陽光パネル・風車などの設置が必要になります。

太陽光パネルの設置には、戸建て住宅の屋根が多く、屋根の向きや広さ、強度などの制約があリます。
風車の設置は、風力、騒音問題、景観問題、バードストライクを考慮すると立地が制約されます。
そのうえ、太陽光も風車も費用面で、現在は割高。
さらに、発電した電力を電力会社が購入することも、様々な問題や制約があります。
また、電力会社が電力を買い取ることで、国民の負担が増えることになります。

再生可能エネルギー電力(太陽光・風力)の課題

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