発電所で発電した電気がすべて家庭や工場に届くわけではありません。
送配電線の電気抵抗などのために一部が熱となって失われてしまいます。
超電導ケーブルを使えば、電気抵抗がゼロであるため、送電ロスを大幅に低減することができます。

超電導ケーブル 最近の動き

鉄道総合技術研究所は、作った電気をほぼ100%無駄なく送れる鉄道向け送電ケーブルを開発。
送電ケーブルは主力の超電導物質を電線に使った。
周囲を薄い断熱パイプで覆い、セ氏零下196度に冷やすと、超電導現象が起き、電気抵抗がほぼゼロになる。
今は鉄道へ送電時に電気の約10%が熱になって逃げてしまうが、新ケーブルを使えば、この損失分が節電できる。

超電導は鉄道分野だけでなく、一般の送電線への応用も期待されている。
現在、主流の交流送電網で使うのは銅線やアルミ線。
電気抵抗があるため、発電所から家庭や工場などに送り届けるまでに5%程度は失われている。
鉄道総合技術研究所で開発された超電導ケーブルは汎用性があり、次世代の送電インフラの基盤技術となる可能性もあるという。
超電導ケーブルに置き換え直流で送電すれば、国内で原子力発電所数基分の節約になるとの試算もある。
また、太陽電池や風力発電などは直流で発電されるため、直流送電は再生可能エネルギーと組み合わせやすい。
送電が自由化されれば鉄道会社が保有する送電インフラを一般家庭など向けに活用できる可能性もある。

住友電気工業などは超電導ケーブルを通じて一般家庭に電気を送る国内初の実証試験を2012年11月に始める。
東京電力の旭変電所(横浜市)にセ氏マイナス196度に冷やすと超電導になるケーブルを引き、約20万キロワットを流す。
熱として失う電気が減り、将来は送電中の損失を半減できる見込みという。既存の送電網を置き換える利点があるかを調べる。
ケーブルは高温超電導と呼ぶタイプ。
これまでにケーブルを覆う管に液体窒素を循環させて冷却するシステムを作った。
高温超電導ケーブルに取り換えると約2万キロワットの電気を節約できるとの試算が出ている。

東電管内には、275キロボルト以上の高電圧で電気を流す地下ケーブルが総延長約400キロメートルある。
送電中に約4万キロワットの電気を熱として失うという。

超電導ケーブルの実証実験が成功して、順次既存の送電網が置き換わればかなり「節電」になりますね。

超電導現象とは
ある物質を一定温度以下に冷やすと電気抵抗がゼロになり、磁場を完全に排除(マイスナー効果)され、流れ出した電流が永久に流れ続ける現象。
1911年にオランダの物理学者、オンネスが水銀で初めてこの現象を発見した。
セ氏零下250度以下の極低温で超電導になる金属、合金系物質は実用段階に入っている。
また、1986年にIBMのベドノルツとミューラーが、セラミックス系の酸化物が比較的高い温度で超電導になることを発見し、世界中で新しい高温超電導物質の探索と応用研究が始まった。
大電流の無損失送電、小型超電導磁石、医療診断装置などへの応用が期待されている。

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