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食物連鎖「生食連鎖」と「腐食連鎖」

物質循環を考えたとき、必要不可欠なしくみが食物連鎖です。
食物連鎖には「生食連鎖」と「腐食連鎖」があります。

生食連鎖は、動物が生きたままの植物を摂取することから始まる食物連鎖。
腐食連鎖は、菌類が生食連鎖で排出された、デトライタスを摂取することから始まる食物連鎖。

デトライタスとは、腐敗した動植物、排泄物などの有機物。
菌類はその有機物を無機物に分解します。

食物連鎖で菌類が作った無機物は、植物に摂取され、植物は動物に摂取され生食連鎖に組み込まれます。
または、デトライタスになって腐食連鎖に組み込まれます。

有機物を無機物に分解する菌類の体も、有機物です。
菌類もデトライタスになって腐食連鎖に組み込まれるか、地中の虫などに食べられ生食連鎖に組み込まれます。

このように、多くの生態系では、生食連鎖と腐食連鎖の2つを備えています。
この働きによって、物質循環の持続性を保っています。

植物と菌類の間で交換される有機物と無機物は大規模です。
普段目にしている動植物よりも菌類やデトライタスの方がはるかに多く、腐食連鎖を流れる物質とエネルギーは生食連鎖に比べて、はるかに大きい。

バーチャルウォーター(仮想水)一覧

バーチャルウォーター(仮想水)は商品を生産するのに必要な水の量。
たとえば、牛肉なら、家畜が飲む水や、飼育場の清掃に使う水、飼料を栽培するための水が含まれている。
1キロ生産するのに1万5497リットル必要となる。

バーチャルウォーター(仮想水)は、英国の地理物理学者「トニー・アラン」が水資源の少ない中東で、水をめぐる紛争があまり起きていない理由を説明するために提唱したもの。
(中東諸国は、食糧を輸入することで食糧生産に使う水が少なく済んでいると考えた。)

その後、オランダ人科学者「アリエン・フークストラ」をはじめとするトエンテ大学とユネスコの研究者が身近な商品のバーチャルウォーター(仮想水)を試算した。

日本は、輸出量の15倍もの仮想水を輸入している。

身近な商品の仮想水一覧(1キロ当たり)


牛肉:15497リットル
豚肉:6309リットル
鶏肉:3918リットル

畜産物・加工品
ソーセージ:11535リットル
プロセスチーズ:4914リットル
フレッシュチーズ:3094リットル
鶏卵:3340リットル
ヨーグルト:1151リットル

野菜・果物
イチジク:3160リットル
プラム:1612リットル
さくらんぼ:1543リットル
アボガド:1284リットル
トウモロコシ:909リットル
バナナ:859リットル
リンゴ:697リットル
ブドウ:655リットル
オレンジ:457リットル
豆類:359リットル
イチゴ:276リットル
ジャガイモ:255リットル
ナス208リットル

衣類・嗜好品など
ジーンズ1本:11000リットル
綿のシーツ1枚:10600リットル
綿のTシャツ1枚:2900リットル
ハンバーガー1個:2400リットル
牛乳 グラス1杯:200リットル
コーヒー カップ1杯:140リットル
ワイン グラス1杯:120リットル
ビール グラス1杯:75リットル
紅茶 カップ1杯:34リットル
(ナショナルジオグラフィック2010年4月号参照)

このように、普段何気なく食べているものには大量の水が使われています。
できあがったものだけを見ると、水のことなど考えたりしませんよね。
驚きませんか?

日本は、輸出量の15倍もの仮想水を輸入している。
イタリアは仮想水の輸入量が輸出量を49兆リットル上回り、ヨーロッパ諸国で最大。
牛肉と穀物を輸出している国は、仮想水の輸出量が多くなる地域。
専門家は、今後20年で水の利用効率を現在の2倍に高める必要があると考えている。

遺伝子組換でネッタイシマカの絶滅狙う

マレーシア政府は、デング熱対策として、遺伝子を組み換えた蚊(か)約6000匹をパハン州の非居住地域に放った。
放った蚊はネッタイシマカで、すべてオス。生まれてくる子どもが生後すぐに死ぬよう遺伝子を組み換えてあるため、デング熱を媒介するネッタイシマカの減少、ひいては絶滅が期待される。

ネッタイシマカとは、黄熱、デング熱、チクングニヤ熱の媒介蚊として知られる。かつての日本でも南西諸島で生息していたが、現在は確認されていない。

2010年、ケイマン諸島で行われた類似の実験では、媒介蚊の数が劇的に減ったとされる。
遺伝子を組み換えたネッタイシマカを自然界に放すことは、環境保護団体などの反発などがあり、延期されていた。
しかし、今回事前の予告無く強行された。
ネッタイシマカの生態はほとんど知られていない上、媒介蚊の突然変異や生態系への影響、それにともなう新たな病気の発生といった予想外の事態が起こりかねないと反対論があった。
マレーシア政府は、「GM(遺伝子組み換え)蚊自身も数日しか生きられないので、害はない。」としている。

2010年に、マレーシアでのデング熱の発生件数は11%増の4万6,000件。
死者は52%増の134人に達した。

白化するサンゴ「白化現象」

造礁サンゴは、イソギンチャクなどと同じ仲間の動物です。
サンゴには、褐虫藻(かっちゅうそう)という藻類(植物プランクトン)と共生しています。
褐虫草は光合成を行い、サンゴに養分を供給しています。

サンゴ

サンゴ

サンゴが集まったサンゴ礁は、海中生物の生息場所となり、海の生物多様性を豊かにします。
また、海の物質を循環・浄化する役割も持っています。
さらに、サンゴ礁が防波堤の役割し、波を穏やかにすることで、海岸の侵食を防いでいます。
美しさから、観光資源にもなっています。

サンゴ礁は、多岐にわたる役割を担っていますね。

サンゴが今危機に瀕しています。
サンゴは、海水温の変化など環境ストレスを感じると褐虫藻をを放出し、死滅していきます。
褐虫藻の光に対する耐性が弱くなり、光阻害が多く発生するようになります。

※光阻害とは、強すぎる光によって光合成系が傷害を受けること。

光阻害が生じると、光合成によって炭素を固定する機能が低下し、光エネルギーが余ります。
余った光エネルギーは、酸素と結び付き、活性酸素が発生します。
活性酸素は、褐虫藻に有害です。
褐虫藻は、光合成の機能が低下し、活性酸素による損傷を受けて、自滅すると言われています。

死滅した褐虫藻がサンゴの中から放出されると、サンゴの骨格が透けて、白く見えるためサンゴの白化現象と呼ばれます。
白化現象が起きても、環境が改善して、新たに褐虫藻が住みつけばサンゴは回復し元の状態に戻ります。
しかし、環境が改善されず、新たに褐虫藻が住みつかなければ、サンゴは死滅してしまいます。

サンゴの生息に適した水温は25~28度と言われています。
水温30度を超えることが続けば、白化が起こるといわれています。
サンゴと共生している褐虫藻は、5種類程度いて、白化しやすいものとしにくいものがあります。
サンゴが白化に強い褐虫藻を獲得して高水温のストレスに強くなるという見方もあるようです。

環境ストレスとして、高水温、低水温、紫外線、淡水、土砂の流入など多くの要素があります。

サンゴが自力でストレス耐性が強くなることは良いことですが、人為的なストレスを取り除くことが必要となる。

温暖化で害虫・病気の北上

地球温暖化で北上しているのは、農産物や水産物だけではありません。
害虫や病気も北上しています。
これまで日本では見られなかったものが報告されています。
以下のようなものが確認されています。

ナルトビエイ

熱帯・亜熱帯に生息。
近年、九州沿岸や瀬戸内海でアサリやバカガイなどを食い荒らしています。

エチゼンクラゲ

生態について現時点で知られていることは少ない。
大量発生し、クラゲ漁以外の漁業を妨害しています。
産卵地である黄海沿岸の開発進行による富栄養化、地球温暖化による海水温上昇、日本近海の沿岸開発による自然海岸の喪失でクラゲに適した環境になった。という説が挙げられています。

シガテラ中毒(食中毒)

熱帯・亜熱帯に生息する魚類の食中毒。
近年、関東近海で釣られたフエダイ類による発生例が報告されています。

カンキツグリーニング病

柑橘類に致命的な被害を与える病害。
感染すると、木が枯れる。
対策は、伐採除去しかない。
東南アジアの高湿地域で流行すると言われていたが、沖縄県・鹿児島県まで北上しています。
これまでは、夏に飛来してきても、越冬できず死滅していたが、温暖化の影響で越冬できるようになった。

まだまだ、たくさんありますね。
時間を見て追加していきます。
また、コメントで情報をいただけると、追加していこうと思います。

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